適応障害
訪問看護においては、下記の適応障害への理解をもとに、利用者さんお一人お一人にあった生活環境調整といったサポートをおこないます。
適応障害は、ある状況や出来事(ストレス因)が、その人にとってとてもつらく感じられ、そのストレス因の始まりから3か月以内に気分や行動面に症状が現れるものです。
たとえば不安感や憂うつな気分が強くなるため、過剰に心配したり涙もろくなったり、神経が過敏になったりします。また、無断欠席や喧嘩、無謀な運転、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。
ストレス因は、個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々ですが、日常的でどこにでもあるようなことがストレス因となることがより多いといわれています。例えば愛する人の喪失、転職・異動や昇進により新しい職場環境や仕事になじめない、上司や同僚との人間関係がうまくいかない、夫(妻)の両親とうまくつきあえない、いじめ、経済事情の変化などがあります。ある人はストレスに感じることが他の人はそうでなかったりと、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。
ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。アメリカ精神医学会の基準(DSM-5)では「ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続しない」とされています。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。そういった場合は、カウンセリングを通して、ストレスフルな状況に適応する力をつけることも有効な治療法とされています。
適応障害の主な症状
症状としては、情緒的な症状、行動面の症状、身体症状があります。
情緒的な症状
抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などがあります。置かれている状況で、何かを計画したり続けることができないと感じることもあるでしょう。
行動面の症状
無断欠席やけんか、無謀な運転、いきすぎた飲酒や暴食、などの攻撃的な行動がみられることもあります。子どもの場合は、赤ちゃん言葉や指しゃぶりなどの「赤ちゃん返り」がみられることもあります。
身体症状
不安が強く緊張が高まると、体の症状としてどきどきしたり、汗をかいたり、めまいなどの症状がみられることもあります。その他、不眠、食欲不振、全身倦怠感、易疲労感、頭痛、肩こり、腹痛などがあります。
適応障害ではストレス因から離れると症状が良くなることが多くみられます。例えば仕事がストレス因の場合、勤務する日は気分が落ち込みがちで不安も強く、眩暈や発汗があるかもしれませんが、休日は気分も楽になり趣味を楽しむことができる場合もあります。
適応障害の原因
適応障害の原因となるストレスは人によりさまざまです。ストレスは受け取り手側による違いも大きく、例えば、親を亡くすことの意味は10歳と60歳とでは大きく異なります。そのため、患者さま個人個人へのオーダーメイド的なアプローチが必要ともいわれています。
一般的には、環境変化や人間関係がストレス因のことが多く、具体的には入学、就職、結婚などでストレスを感じ、大きな負担がかかってしまうと症状が現れるとされています。やはり仕事関係・人間関係が原因で受診される方が多いですが、お体のご病気や経済状況の変化などもストレス因子となることがありま、これらストレス因除去のための環境調整がおこなわれることがあります。
こういった不登校、職場不適応、出社拒否などの場合、学校や職場の理解を得ることも重要とされています。当ステーションでは医師の指示のもと、患者様が社会復帰できるよう、ご家族さま含めお一人お一人にあったサポートをしてまいります。
